流動食画像

濃厚流動食―医療用食品―

高い技術を必要とする流動食受託製造の
事業内容をご紹介いたします。

濃厚流動食とは?

流動食は、噛まなくても飲み込める、あるいは経管で投与できる流動性のある食品です。 その中でも、通常の食事がとれない方が栄養補給を目的として使用する流動食を一般的に「濃厚流動食」といい、少量で高エネルギーかつバランスのよい栄養が取れるように設計されています。

流動食

半固形、液体

いのちを、暮らしを支える
濃厚流動食

食べることは、体をつくり、心を満たし、自分らしく生きる力になります。それは誰にとっても当たり前の営みですが、病気やけが、高齢による変化などによって、思うように食事をとれなくなることがあります。

例えば、

  • 飲み込みの力が落ちた方
  • 手術後や治療中で、食事がとりづらくなっている方
  • 障がいをもつお子さんや、発達の特性がある方

そんな方々が、毎日の食事を安心して続けられるように。栄養をしっかりと届けることで、体力の維持や回復、リハビリへとつなげていけるように。濃厚流動食は、“もうひとつの食事”として、その人らしい暮らしを支える存在です。
「もっと動きたい」「もっと話したい」「もっと家族と笑い合いたい」そんな前向きな気持ちに、私たちは栄養の力で応えたいと考えています。

「トーアスじゃなきゃ」な
技術力と使命

濃厚流動食は、主に医療現場で使われる、命をつなぐ食品です。このため通常の加工食品よりも高いレベルの技術力が求められます。
たとえば微量栄養素について、13種類のビタミン、13種類のミネラルを、ひとつひとつコントロールします。このため、液状、粉状、油状、様々な形の原料を扱います。このとき、混ぜる順番や温度、水の量などが少しでも変わると、まったく違うものになってしまいます。
また、飲み込みやすさに直結する粘度や流動性などの“物性”もコントロールする必要があります。このために行う乳化工程では、温度や調合液の状態によって、まったく出来上がりが変わったりします。

加工食品(±20%)

  • エネルギー
  • 糖質     Na
  • 脂質
  • タンパク質

医療用食品(±10%)

  • 葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC
  • K、Ca、Mg、P、Fe、Zn、Cu、Mn、I、Se、Cr、Mo
  • ビタミンA、D、E、K、B1、B2、B6、B12、ナイアシン
  • 物性(粘度、動的粘弾性など)

これは一朝一夕にできるものではありません。この分野で実績を積み上げ、求められる厳しい品質基準に応え続けてきた私たちだからこそ応えられる、大切な使命だと考えています。 私たちのつくる製品は、単なる食品ではありません。人の体を支え、回復を助け、毎日の暮らしの希望につながるものです。ひとつひとつの工程に意味があり、その全てを積み重ねることでしか生まない価値があります。
この責任と誇りを胸に、私たちは濃厚流動食の製造に取り組んでいます。

日本流動食協会加盟企業

一般社団法人日本流動食協会に加盟しています。
日本流動食協会とは、流動食の製造・販売に携わる企業が発起人となって1992年に設立された業界団体です。流動食業界の進歩と健全な発展を目的とした協会の活動に協力しています。

「確かな品質」「安心・安全」
なドライパックをお届けするために

当社が掲げる食品安全方針のもと、
「確かな品質」「安心・安全」な
ドライパックをお届けするため
様々な取り組みをしています。

栄養成分の分析

濃厚流動食の栄養成分の担保のために、製造毎にフルスペックで分析をしています。 分析機器を導入し、分析・研究チームが厳格な品質管理を行うことで、いつでも高品質な製品のお届けを実現しています。

濃厚流動食の栄養分析方法

たんぱく質
  • ケルダール法
脂質
  • 酸分解法
灰分
  • 直接灰化法
炭水化物
  • 100-(たんぱく質+脂質+灰分)
ナトリウム
  • 原子吸光光度法
熱量
  • (たんぱく質×4)+(脂質×9)+(炭水化物×4)

※たんぱく質 4kcal/g 脂質 9kcal/g 炭水化物 4kcal/g

ケルダール
蒸留装置
原子吸光光度計

微生物検査

健康被害の原因となりうる微生物汚染を未然に防ぐために、厳格な検査を行っています。

1原料の検査
  • 原料ごとの危害分析に従い検査を行い、適合した原料のみ使用しています。
2製品の検査
(中間)
  • 製品に使用する水の定期的な検査やレトルト殺菌前製品の一般生菌数や耐熱性菌数の検査をしています。
3製品の検査(最終)
  • 製品出荷検査として一般生菌数、耐熱性菌数の検査をしています。

製造設備の洗浄

TOC装置

衛生的な製造設備を維持するために、CIP洗浄を行っています。当社のCIP洗浄プログラムは、自動洗浄後にTOC装置(Total Organic Carbon:全有機炭素)、導電率、微生物検査などを用いて、全てのプロセスの洗浄評価を行っており、衛生的な環境が維持できているか定期的にCIP洗浄後の検査による評価を行っています。

※CIP洗浄(Cleaning in Place:定置洗浄) とは、衛生的な製造設備を維持するために、分解せずに装置の内部を洗浄剤などで自動的に洗浄するシステムのことです。製造終了後または品種切替時に実施しています。

工場内の画像

濃厚流動食ができるまで

1

調合

多種類の原料を
溶かし、均質化、
加熱処理をして、
内溶液を作ります
2

製袋

容器に口栓を
つけます
3

充填

内溶液を容器に入れ
キャップを締めて
密封します
4

殺菌

加熱して殺菌します
5

包装

段ボールへ
箱詰めします
品質検査合格後、
出荷します
6
安心・安全な
濃厚流動食の
完成です

ラインスペック

トーアスの濃厚流動食ラインは、2タイプの濃厚流動食(半固形・液体)を製造することが出来ます。粉体溶解設備が充実しており、インラインでスパウトを溶着する容器成型なので、安全性も保証できます。

半固形流動食 液体流動食
容器 パウチ バッグ
製造設備 70g~300g 150ml~400ml
生産能力 9,000袋/時 7,200袋/時

※※生産能力はサイズ、充填物によって異なります。

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